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「やっちゃったんだぜッ」byハルゼー

「戦艦「テキサス」舵機室破壊、全ブレーカーの故障による電気機器の麻痺。「ミシシッピー」のスクリューの破損。旗艦「ニューメキシコ」外板破壊による塗料庫へ浸水。合計150万$」

これは1921年の米海軍の訓練で、ウィリアム・ハルゼーの指揮によって戦隊が発射した模擬魚雷が与えた損害なんだぜッ。
訓練の開始に、ハルゼーが「なにか制限はある?」と確認したところ、「制限なしだよ」と言われたので、戦艦隊を駆逐艦群で挟みこんで、両側から積んでいた模擬魚雷72発を全て叩き込んだらしい。

本来なら柔らかい金属で出来たダミー弾頭のおかげで、魚雷にも戦艦にも被害がないはずだった。しかしハルゼーが発射を指示したのは、距離700ヤード。普通なら空になっているはずの気蓄室には燃料と空気がたっぷり。それが爆発してごらんのありさまだよッ。

なお、翌日の訓練では5000ヤード以上離れて撃てと言われたため、6本しか当たらなかったようです。しかも、訓練中に魚雷が一本暴走して、今度はハルゼーの戦隊の駆逐艦の艦尾で爆発……この駆逐艦、これが原因で海軍工廠まで曳航……

サンディエゴ新聞はこの『戦果』を受けて、「駆逐艦群、戦艦隊を徹底的に撃破す」なんて見出しで記事を書いたそうです。

ハルゼーはこってり絞られたようですが、これ、帝国海軍ならクビ飛んでたんじゃないか……

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