お話には、色々な人が出てくるようです
白洲次郎 |
白洲正子の旦那。最近、マッカーサーを叱った男として有名になった、この物語の主人公。 愛国者、真の日本人などと持ち上げられているが、どう見ても白洲家特有の「傍若無人さ」と「抜群の行動力」に、「イギリス」というエッセンスを振りかけて生まれたただの「好事家」。 肩書きは新聞記者、魚屋、百姓、政府特使、電力会社会長など多種多様。 その生涯を、自分の思うままに生きた男。その意味では、死後に親友達がつけた「風の男」というあだ名はぴったり。 |
白洲正子 | 白洲次郎の嫁。伯爵家令嬢。でも一目惚れの相手は、破産した商店のどら息子。料理洗濯はまるで駄目なので、お手伝いさんを連れて嫁入り。新婚時代は生活費が足りなかったので、名画を売り払ったりしていた。 戦争初期でも銀座で友達と遅くまで呑み歩いて朝帰りをしていた不良嫁。 手の早さから、ついたあだ名は『韋駄天正子』。そのコブシは白洲次郎だけでなく、あの有名な北大路魯山人にも向けられた。また、美術品の分捕りあいでも手の早さは遺憾なく発揮された。 |
吉田茂 |
以前は散々嫌われていたのに、なぜか最近は名宰相の名前を欲しいままにしているタヌキじじい。 吉田家の40億円とも言われる資産を食いつぶして、英国流の毒舌まがいのジョークを身に付けた。 宣戦布告なしの奇襲、敗戦、無条件降伏という最悪の状況を打開するため、自分でもコントロールできない白洲次郎という劇薬を、GHQとの交渉窓口に据えるという大胆な人事を行う。嫌がらせか? 日本の軍人が嫌い。理由は、バカだから。 |
ダグラス・マッカーサー |
プライドが高い。あまりに高すぎて、自分の経歴に傷をつけた日本軍人を裁判で極刑にしてしまうほど。計画どおり。 自己陶酔の傾向があり、勝手に感動エピソードを作り出すこともしばしば。日本における被害者は、ホテルのボーイから昭和天皇まで幅広い。 決して悪人ではないが、仕事で付き合うには癖が強すぎた。そういう意味では、白洲次郎と良い勝負。無名の兵士から大統領まで、その性格を疎ましく思っていた人物は多い。 |
近衛文麿 |
五摂家筆頭のカンパクさん。昭和天皇を前にして、平気で足を組んで座れる人。本人曰く、「昭和天皇との関係は、恋人みたいなもの」。 その世界を見る目は間違いなくリベラリストのそれだったが、骨の髄まで染みこんだ「公家の血」からは最後の最後まで逃れる事が出来なかった。 戦前に長男文隆の教育に手を焼いた近衛は、白洲次郎に家庭教師を頼んでいた時期がある。その人選はどうよ? |
松本烝治 |
名前の由来は、初代米大統領ジョージ・ワシントンから。大学教授の国政と実業界への参加は、すでに私が完成させている! 大学教授、議員、大臣、顧問弁護士、相談役、その肩書きは尽きるところを知らない! 商法の実践派、松本烝治が来てくれたーッ! 英国新聞社の日本支店で顧問弁護士をしていた時に、知り合いの樺山愛輔伯爵の娘と結婚した男が会社にいた。もちろん、その男が白洲次郎。公職追放解除後は、樺山愛輔とともに国際文化会館設立に尽力した。 何だかんだと言って、白洲次郎とは仲良し。 |