やる夫は日本で働くようです その1 |
1950年、アメリカ―― _,, //"i // .:| ,i',' .:| ,i',' | / | ,ー、 ll !! /ー、 | i, i' ,,..-ー─''─────"───’-i, i' - ,...、| 'i i' / / . . i, i' . :.:. \_____,,, i,i' /,'ニl.lニl,iコ /Vοsんττκα'i i' τγ i,_,,...、、、-ー'' ̄ _______||__/ー 、 // ロ ロ ロ ロ ロ ロ. i,i' ̄ ~`ヽ.:.:.ノ -=={二ニニ=(◎)( )' {二ニニ==(◎)==ニニ二}─────ーー--==,─ `''─--i'iーヽ__..''::.:.:..:.:.. .: .:. .: :. .:.. :.. :. . .: i'i;彡 -------::;、___,,...、、、-ー''"” ̄ ,.,, i i' ll___ll\;;;;_________,,..、-'i i'ヽ;;;_;;:,i'" ̄ ̄ ,;:;..:;; ___,;,`;:::,.;:;;:;;___,i i',.__\__\|___________;:;:;:;:;_______________i i'i《《(ロ))______,,.;::,.;:;`;:;;___________ .l,_,l , '《,7ヽ .l,_,lヽ,《__〃 i《《(ロ)) ヽ,《__〃 日本に向かう飛行機の中に、一人の男が居た。 ___ ;;/ ノ( \; ;/ _ノ 三ヽ、_ \; ギギギ。なんでやる夫が、猿どもの国に ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\; 行かなきゃならないんだお! ;.| ⌒ (__人__) ノ( |.; しかもジャップどもの根城の東京なんて ..;\ u. . |++++| ⌒ /; 最悪だおッ!! やる夫・バーク海軍少将 このやる夫海軍少将は日本が大ッ嫌いだった。 この感情は、殺し合いをした相手に対して抱く感情としては、決しておかしな話ではないし、そのようなアメリカ人も多くいた。 しかし仕事として軍人を選んだ、いわゆる職業軍人の中では、日本に対してここまで嫌悪を露わにする者はそう多くはなかった。 例えば「バターン死の行進」と呼ばれた出来事に対して、アメリカではそれを糾弾する世論があったが、実際に体験した職業軍人の中には…… . \` ー----──‐x リ ノ ,. -‐… ¨ ̄`: : : : : : ヽ: 丶、 /: :/´: : : : :、 : : : : : : : : : : : :ヘ __.' ィ /: :/ : /:,ヘ : :ヽ: ヽ: V: : : : : : : :', /: /:/ : :ll.;' ';ハ: ハ:ト、 i: : V : : : : ハ あなたっ、大丈夫だったの? ,ノ;ィ:/:! :l :l l ll,ォナサTl: i: : '; : l : : :.i 猿どもに、ひどい事されなかった? ´ i: l: :l从`ニ、 ! フィ'了ハxl: : :l : l : : : l l:l.l: : ヘ.f iハ ヒzリ,!: : i: : l : : : :l V '; : : ゙,、乂.,. ¨ j: :/: : l.:l : : : l ヽヽ: : :ゝ ヽ__...、 ニフィ: : :l :l : : : l \:\ ヽ-‐゙i ,j: : :l :,l : : : :l | l: ゙:! l> ー=' /.l: : l :/l: : : : :i / / / / | ヽ__ \ / / / / / | \ ̄` . /イ / ' / j __ \ /´ / / ./ / ハ \ ̄ / / ./ / / / ,仏ム ト-\ ; ′ / ∠ファ'zxイ_ 厶ィ/斗<i ト、 | l ;| / /,不乃Y¨´ /^゛/ヘ必ソノ| ハレヘ| 問題ない。 レ1小 / | /へゞ=' 1 , /  ̄ 小lイ' ハ 確かにひどい出来事だったが、責めるに値しない。 亅 | ;ト、!'レ′ハヽ jイ / | !イ なぜなら日本兵もまた、我々捕虜と同じように /Y弌ーヘ ゛゙ j/ ! ハ! 歩いていたのだから。 __//〉 〉 〉 ヽ ヽ ` _, メ∧ これは日本が必要な資源を産出できないこと、 /´ / ./←←'<./ i\ ヽニ二ニノ イ 丶 必要な資源を輸入する経済力を持たないこと、 / / / ', \ ー一 / / ∧ さらに貧弱な工業力がインフラ整備と機械化の / ; ′ / ∧ 丶 / / 厶__\ 足を引っ張ったため、近代戦に必要とされる装備を __/ | i ∠ニヽ ノ } `¨´ / / ⊆) ̄\ 十分に揃える事が出来なかったのが原因と考えられる。 ! | ! i| ∧ / ∧ _\ それ故か、彼ら日本軍は補給に対して鈍感であり ヽ', ! | ! | / ', / / \ / _\\ この戦争はすでに準備段階において―― ヽ \ ! | ! V`ー------/ / \| / r-\\ -、,...__ ヾ、|,、 ,,.-‐‐'゙'-"',.'‐''"'i゙'/ `'、‐、 ,.-;''",-,'‐''-‐'" , ;;':|i':;, :, .` 、ヽ . '",゙''‐-,;:,‐'" ,ィ' l |;;:;|::;;l::i ::i ; ヽ`、 /,-,:'',:'", , ;'::| ..:l i' " |;l. :l ;|.::i:`:、 /' /.:;'";:' ; l.:l:::l、:::|i:| l;'./i.ノ.::;!:::、ヾ、 . i.::;'.;:';'.::;.l::|゙、l`、l゙'、 ,ノノ/''i.,ィ::;::;:i::.i゙:.、 はぁ…… |;:;!:l | ::l:::i;:l ;|;-‐- -‐-ノ',l,ノ::;l::i::|`''‐、 もういいわ。 ゙i| '!l l :::l::| '";, , ;.; ゙,i'|.::;l:::llノ 無事なのは分かったから。 `i゙、::l、'、 ! ,ノ;/':;ノ:| l::i:l`:;;'、 ー――‐ ,/;'lノィ'i::.| i;:l::|.:.:|::`:,、 ''' ./:::i' :|:|:.| l :l:::l ::'l:::::l::`i‐、 ., .ィ'::l:|:::l,'::|::|: l ;i.::l::::|.:;:l:;ノ|ノ、`,、`''",/,!ヾl;/;::;l:::|::.l /.::;',,.-i::i゙i'" `''r-i''" ゙''ノi'::;j::::|:::.l ,'‐i'" ゙、iヽ''" ,:‐!-l' -‐;ヽ;';ノ、`゙' ‐i゙、 i i /ヾi'"''' /:i' l゙'、..::::;ノ'ヾ、゙、 ,'::::i l .:`、 ‐';/ !,-‐;''":;l l `';:-、.;/゙、`' ! ::::i という者も居たという。 やる夫がここまで日本人を嫌いになった原因には、幾つか原因があると言われている。 そのうちの一つは、やる夫が仕えた上官が…… / / :/ :/ / i| i | ` .´| ハ i i i !/ :/ :i| / \、 i| ` ´ i/ |: ハ: i |i: i i :| /:ハ :/ -=ミヽ 〉 〈 _イ:i i: i |i | | .i ヘ :ハ:| i:|/ ヾ`ー=ノ v/ |ハ !: i | i | ! i ヘ i. i| く tッ _ 〉-‐べ. v´rッ i}| /i: i| ! | i |i | :i :ハ. __`二ニ二ノ´ ヾー- ´ |/ :| i |i / ジャップ? .i /´ヽ i| i _ - ィ /  ̄ | /: / |i あたしは戦前からあいつらが .i :i r 、∨ i _ - ´ ヽ. i// 嫌いだったんだッ \| r ' i: i / / ̄ ̄ ー―- __ `! } 日本で天皇を見つけたら、馬で東京を 人 /: | ´/ i .〉! ハ 引き摺り回してやる!! _ - ´ ゝ/: i /、 v ーヘイ`  ̄ ̄ ` ヘ ィ ノ / i _ /: / i |i /: ヽ / /:./ ,ヘ ヽ _ i !イ ヘ /:.:// // ヽ;\ 、`ー 二 ̄-―- 二 - ノ | '; ヘ ウィリアム・ハルゼー元帥 -‐ニ' i //_ ヘ:\  ̄ ァー´ ヽ; ト、: ', --z -| /- ニ二_-=、 i:.:.i` 、 / ` ヽ i と、このように清々しいまでの嫌日家であったからとも言われている。 ちなみにハルゼー元帥がどのくらい日本が嫌いだったかというと、戦前に自分のオフィスから日本に輸出される鉄屑を見るたびに。 / . : _:__:_ : :.\__> _、 丶、 / ,. "´: : : :`丶∨ィ \ i⌒ヽ ´ _,.. -z─- :、: :`∨乂//´´ヾ ハ }ー' }_,..イハ `ヽ、 / ヽ `ト}} ` 'ゞ 、z ノ) }:: | その鉄屑は、いつかこっちに飛んでくる弾になるんだ。 _ノ j!トく、_、ヽ,/’__ノハ j 八_'_ // j::. ;ミ おい、そこの船会社分かってるのか、お前らは __,,....// ハ\_‘,ハ" `" ソ'| :|ハリ'゙ `ヾ、 ̄`丶、´ 将来の敵国に鉄屑を売ってるんだぞッ / "´ / /~\{___く 、 _,. _-ニヽ│:W,゙ ゙i, \ こん畜生、この売国奴どもが、目先の金に目が眩んだ .::_f゙}゙},/′ / / {√イ´ _,z}| :|´ ,i、 ヽ 守銭奴どもめッ。 〈/// / / i {`廴__,彡/l :| ,i゙`\ 死ねッ死んじまえッ . :} ! { { │ |> 、_,. イ ,i |.リ _rぐ \ '" ̄\;| 、 | 〉 ,i゙: : : : ;i´ノ′ _ノノ ノ f´゙i ヽ \ 〈 !: : : : ;i' ,、r''((〈 く 丿 〉 などと文句を言っていたというのだから、筋金入りだった。 他にも、軍人として初めて乗った軍艦である戦艦『アリゾナ』を真珠湾攻撃によって同僚と共に沈められたからという話もあるが、とにかくやる夫は日本が大ッ嫌いであり、戦中は…… ____ / \ / ─ ─ \ ジャップを殺すに役立つなら重要なり。 / (●) (●) \ ジャップを殺すに役立たぬなら重要でなし。 | (__人__) | \ ` ⌒´ /ヽ (ヽ、 / ̄) | | ``ー――‐''| ヽ、.| ゝ ノ ヽ ノ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ____ / \ / ─ ─ \ 常に貴艦の練成度を高め戦闘に備えよ。 / (●) (●) \ 常に補給を怠らず戦闘に備えよ。 | :::::: (__人__) :::::: | 常に戦闘準備状況を上官に報告せよ。 \. `ー'´ /ヽ (ヽ、 / ̄) | | ``ー――‐''| ヽ、. | ゝ ノ ヽ ノ | という命令も出していた。 そんな彼が、自分が日本で問題なく仕事をするために考えた態度は、 __ イ´ `ヽ / /  ̄ ̄ ̄ \ /_/ ∞ \_ [__________] ジャップと関わるのは必要最低限でいいお。 | (__人 __) | 上っ面だけ礼儀正しくそっけない変態紳士な態度で接してれば \_ ` ⌒´ _/ ジャップと必要以上に付き合う必要はないんだお。 /⌒ヽ | \><ヘl ヽ \ {::: l \ ヽ };;{ | | i } {:::::.. 〈;;,, ヽ V;;;}ノ l彡 ヽ _,,.-‐''" |:::::::: ヽ--、 \ >--'⌒ヽ::. } || |_,,.ィ'|::::..... }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し':: ) || | || !:: / .::ノ::::::::::. ノ || | || _ヽ,, .;::: _,,.-‐''"ー''--'' ̄ こうして、彼の辛い辛い、日本勤務が始まったのだった。 |